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資産としての住宅

悠悠ホームの家造りの方向性を決めるにあたり、当時弊社代表は海外の住宅事情の視察に余念がなかった、17~18年前の話である。たどり着いた健康住宅は日本で続いてきた在来工法を軸とし、当時問題だったシックハウス改善のために断熱工法にメスをいれた家だった。さらに新建材多用の疑問から独自の視点での商材導入により室内の「空気」にこだわった家をつくってきた。代表は海外視察の中で日本の住宅の価値の低下に失望する。良い住宅は高い資産価値を形成しより良い投資物件となるべきだ。住宅が子や孫が引き継いでいくものではなくなってる社会の中で資産としての住宅の位置づけを日本の共通認識としなければならない。しかし弊社ような工務店がいくら声をあげても業界が動くわけではない。海外では新築住宅よりも中古住宅の方がリスクが少なく、住環境も形成され、高く売買されるケースが少なくない。いわゆる投資物件なのである。日本でこういう状況が生まれないのは理由はいくつか考えられる、財務省令では木造住宅の耐用年数を22年としている、ただしこれは税法上の減価償却の耐用年数であるが建物の耐久性として築20年程で無価値と査定する業界慣行につながったという意見がある、また価値が下がるため住まい手はあまりメンテナンスをせず、買い手もコストをかけて品質調査をしないという流れが負の連鎖を生み出すことになっているともいえる。住宅流通の在り方が変わるためには全ての人が一斉にシフトアップしないといけないであろうし、昨今の住宅施策は徐々にそういう風潮を作り出そうとしている。そんな中、住宅新報10/31号社説に「自宅のリースバック」のことが記載されていたので、住宅を利用した資金調達のスキームについて少々触れたい。高齢化社会、長くなる老後の資金調達として、不動産会社のハウスドゥが早くから手掛けているリースバックというシステムがある。自宅を不動産会社へ売却し買主であるオーナーに対してリース料(家賃)を払うシステムだ。比較してリバースモーゲージという金融商品がある、これは自宅を担保にお金を借り、借りたお金は死亡時に自宅を売却するというもの。また最近では賃料返済型のリバースモーゲージなる物も登場している、これはJTI(一社・移住住み替え支援機構)が最長35年の一括借り上げを行い、ここから入ってくる家賃を返済原資として金融機関のローンを組む。JTIが家賃保証をするため、入居者が入らなくても給与所得や年金所得からの持ち出しはない。老人ホームなどへの一時等急にお金が必要な場合や、残債のあるマンションからの住み替えなどに利用が考えられるという。売買だけではない、住宅を利用したお金のやりくりの選択肢が増えることで「投資」という認識に少しでも近づいていくのではないかと考える。フランスではヴィアジェというシステムもあるという。これは売主は死ぬまでその家に住む権利があり、買主は売買契約成立時に前金を支払い、その後は月々定額を売主に支払うというもの。売主が生きている間は買った家に住めないというん入居時期が不確定ななんとも不思議な制度だが、人気地区ではこのシステムの需要があるそうだ。広報企画課

「安心R住宅」説明会を全国6か所で開催

10月6日付国交省報道によると、「住みたい」「買いたい」既存住宅の流通促進に寄与する事業者団体の登録制度(「安心R住宅」)の説明会が全国6か所で開催されるという。さてこの安心R住宅とは、簡単に説明すると、中古住宅の流通促進を目的に、対象物件をしっかり検査し、きれいな状態にして、点検履歴や保証などの情報が事前に確認状態できる住宅にお墨付きを与えますというもの。中古物件購入に関する消費者の不安を少しでも和らげようという狙いがあるようだ。日本では住宅取引の約3割が中古住宅となっているのに比べアメリカではその割合は約6割、その他ヨーロッパ諸国・オーストラリアでも軒並み中古流通のシェアは日本より高い。理由は多数ありそうだ、戦後の住宅計画・高度成長に植え付けられた価値観、杜撰な都市計画による低い住環境の価値、不動産売買システム、金融商品や税制優遇、家族形態の在り方、いずれもせっかく高い買い物をするなら新築にという新築神話を牽引する状態が続いている。その1つ「経年美」への価値、時間・歴史への畏敬は個人レベルで改善できるだろうし、そういう価値観を持っている方が人生豊かに過ごせるだろう。中古でも問題ないという世代はもう準備ができている。あとは新築でも中古でも住宅貧乏にならない制度を整えて、様々な人に住みつがれる家とともに豊かな人生を送れる不動産資産の形成ができる社会の実現を目指したい。<悠悠ホーム広報企画課>